U.平成12年度調査結果の報告

2.対外的なスポーツ活動への参加状況

 病弱養護学校に在籍している筋ジストロフィーの児童生徒が、対外的なスポーツ活動に参加している状況について、23校を対象に調査を行い、16校から回答を得ました(69.6%)。
 以下、調査項目ごとに結果の概要を述べます。

(1)他校とのスポーツ交流
 ・実施している又は実施したことがある。
       4校(25.0%)
 ・実施していない。
       12校(75.0%)

 他校とのスポーツ交流を実施している又は実施したことがある4校のうち、交流に参加している部は、中学・高等部が中心ですが、2校は小学部も参加しています。
 交流の種目は、野球、卓球バレー、パワーボールなどであり、また、交流の相手は、他の養護学校や中・高等学校の生徒などです。

(2)競技会への参加
 ・参加している。
       3校(18.8%)
 ・参加していない。
      12校(81.2%)

 競技会に参加している部は、中学・高等部で、競技会の種類は、県のスポーツ大会などです。
 また、参加している種目は、ボッチャ、スラローム、風船バレーボール、電動サッカーなどです。

(3)地域のスポーツクラブへの参加
 ・参加していない。
       16校(100%)

 地域のスポーツクラブに参加している学校はありませんでした。

(4)病棟や親の会などの行事への参加
 ・参加している。
       7校(43.8%)
 ・参加していない。
       9校(56.2%)

 病棟や親の会などの行事への参加状況をみると、小・中学部及び高等部ともに参加している学校が4校であり、他の3校は、中学・高等部又は高等部のみが参加しています。
 また、参加している行事の種目は、野球(車いす野球)、ホッケー(車いすホッケー)、サッカー(車いすサッカー)、風船バレーボールなどです。
 なお、活動の場所は、病院(病棟)内が中心で、一部は養護学校の体育館を使用しています。

(5)対外的なスポーツ活動についての意見等
 3校(18.8%)から意見等が回答されました。各校の意見などの内容をまとめると、「できれば交流のできるスポーツ活動や参加できる機会のあることが望ましいが、生徒の障害の状態が重く、また、近くに交流の相手がいないため、交流することが難しい。」となります。

 調査結果の概要は以上のとおりですが、筋ジストロフィーの児童生徒が対外的なスポーツ活動に参加することは、他の養護学校や小・中・高等学校の児童生徒との交流をとおして、人間関係を広め、また、余暇を有意義に過ごすことができ、生活の質を高めるのにも有効であると考えられます。
 今後の課題として、障害の状態が重くても参加できるスポーツ種目の開発、参加の機会や場の設定などを促進することが望まれます。
(山本昌邦)


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