(会員寄稿)どんなに進行しても楽しめる日々
愛知県支部 森田祐介(文・母)
特別進行が遅いわけでもない福山型で30歳。そう聞くとどんな状態か、会員さんであれば想像できるのではないでしょうか。人工呼吸器をつけ、胃ろうから栄養を取り、ほぼ寝たきりの生活です。コロナ禍になり生活介護事業所を休むことも増えましたが、籠る生活の中で日光に当たることは大切だと思い、一昨年からドライブをよくしています。
明治村の写真
移動手段は、大和証券さんからの援助で作ることが出来たストレッチャーです。感染対策の為にシールドを付けたら、まるでコロナ患者を搬送しているような外観。そこで、お手製でキャラクターの絵の網を付けたところ天蓋のようになり「見て!見て!いいでしょう」とルンルン気分です。
ぎんなんパークの写真
射的の写真
昨年11月頃からは県内の感染者もぐっと減り「出かけるなら今しかない!」と、あちこちに出かけています。まずは、母の用事のついでに岐阜県関市の刃物ミュージアムへ。久しぶりの外出は楽しく、次の週末には銀杏並木を見に県内では有名な祖父江へ。「ぎんなんパーク」ではマルシェが開かれていて「風邪の人(コロナ患者)いなかったね」「お祭りやってたね」と、以前の生活に戻ったと思えたようです。ストレッチャーの中から銀杏並木を見上げている姿は印象的でした。
犬山城の写真
次の週末には近くの明治村へ。坂が多くてもなんのその。ただ人が多かったので、次は平日にヘルパーさんにお手伝いいただき犬山城へ。城まではたどり着けませんでしたが、坂の途中の神社まで行き、その後は城下町を散策。狭い店でも物をどかしてくれて奥まで入らせてもらえ、じっくりお土産を吟味することも出来ました。お世話になっている人たちにお土産を買っていくことが大好きなので大満足。また、自分が食べたいものも沢山買いました。五平餅、綿菓子、チーズケーキ、スイートポテト、鮎の塩焼き…家に持ち帰りペーストにしてもりもり食べました。(まだ経口もしています)。おみくじでは大吉を引き当て、初めて射的も体験出来ました。
イルミネーションの写真
昨年最後のお出かけは、イルミネーションを見に138タワーパークへ。シールド付きのストレッチャーだからこそ、幻想的な夜景を楽しめました。
ストレッチャーでは何処へでも行けるわけではありませんが、思っていた以上に行ける場所はあり、やれることもあり、人の目も優しいものでした。オミクロン株が落ち着いたら今後もまだまだお出かけを楽しみたいと思います。
(以上、ホームページ運用チーム)