筋ジストロフィー治療薬開発 最新の治験結果
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令和6年5月末からわずか3週間足らずの間に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治験に関する大きなニュースが3件相次ぎました。
1つめは、日本新薬が4年前に日米で販売を始めたビルトラルセン(ビルテプソ)。販売の条件にもなっていた国際共同第3相治験の結果速報が公表されて、主要評価項目でプラセボ(偽薬)との有意差が認められなかったことが5月27日にわかりました。日本新薬は、患者さんに対して価値のある薬剤であると考えて、規制当局と綿密に連携し、患者さんに最善の利益となるように、今後の進め方を決める予定としています。
2つめは、アメリカのファイザーが進める国際共同第3相治験。結果は運動機能の改善を示さず主要評価項目を達成しなかったことが6月12日に公表されました。副次的評価項目についても、プラセボ投与群との間に有意差は認められなかったとしています。今後の進め方については明らかにされていません。
★ファイザーのDMD遺伝子治療薬 第3相治験で目標未達成 令和6年6月14日
3つめは明るいニュースです。昨年6月、アメリカFDA(食品医薬品局)が世界初となるDMDの遺伝子治療薬として承認したサレプタの「デランディストロゲン・ モキセパルボベック(商品名エレビディス)」は、4、5歳児のみを対象とするという年齢制限が設けられていました。しかし、6月20日、FDAは対象年齢を4歳以上の歩行可能、歩行できない患者として年齢制限を拡大しました。開発、販売するサレプタは、昨年暮れ、対象年齢の拡大などを求める申請をしていました。
★サレプタのDMD遺伝子治療薬 適応年齢を4歳以上へ拡大 令和6年6月21日
(以上、ホームページ運用チーム)