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シリーズ「輝いている会員の姿」 宮城支部 小浦 聡史さん

「体が続く限り歌っていきたい」

  僕はデュシェンヌ型筋ジストロフィーで現在34歳です。小・中学校は地元の学校に通い、西多賀養護学校高等部に通うため西多賀病院に入院しました。高等部では車椅子を頼るようになりましたが、20歳頃までは立ち上がることができていました。医師の診断で心臓への負担を減らすため2011年から電動車椅子に乗っています。2014年に退院し仙台で自立生活をしています。
 高等部1年の時にギターを始めました、同じ頃ハーモニカと歌を練習していた加藤満と出会い、学校の先生の勧めもあり「でこぽん」を結成しました。最初の頃は「ゆず」の曲を歌っていました。病院に訪問に来ていた大学生のボランティアと知り合い、オリジナル曲「くもり空」の制作を手伝ってもらいました。初めて作った曲なので、とても嬉しかったです。その後は二人だけで曲を作りました。
 歌詞は全て満が担当しています。満は2006年以降歌うことが出来なくなり、PCで作詞作曲をしました。2010年11月に残念ながらこの世を旅立ちました、悲しく辛い出来事でしたが、満の想いが込もった曲を沢山の人に聞いてもらいたいと思い、歌い続けることにしました。ボーカルに自信が無かったので、ヤマハ音楽教室に3年程、通いました。僕もギターが弾けなくなってしまいましたが、そんな時に演奏をサポートしてくれるメンバーと出会い、今はボーカルとして活動しています。
 毎年楽しみにしているのが「とっておきの音楽祭」です。仙台で2001年から開催されていて、2002年から18年連続で参加しています。2006年には、フィナーレのステージでオリジナル曲の「空を越えて」を歌いました。バックバンドの演奏でとても気持ちのいいステージでした。満は歌う前に「燃え尽きるまで歌います」とコメントしました。そしてこのステージが満にとって最後の歌唱となりました。その後制作されたドキュメンタリー映画の「映画オハイエ」ではインタビューのみ出演し、映画のサウンドトラックには、「空を越えて」が収録されました。
 他には2016年の「ゴールドコンサート仙台予選」では審査員特別賞をいただきました。これからも体が続く限り歌っていきたいです。
 でこぽんの曲は7曲あるので、全てレコーディングしてCDを作ることが夢です。そして、沢山の人に聞いてもらいたいです。それと、「ゆず2018」というプロジェクトのメンバーになって「ゆず」の二人と一緒に、コーラスのレコーディングとMVの撮影に参加しました、最高の思い出になりました、でもMVに顔は映りませんでした。
 YouTubeにライブ映像をアップしています、ぜひ見てください。
https://youtu.be/M7UqfYqhLE8