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シリーズ「輝いている会員の姿」 大分支部 芦刈昌信さん

「どこにいても輝ける」

  私は小学校4年から西別府病院で32年療養生活を続けています。小6から車椅子になり、生きる希望を見失っていた時、詩を書く事で苦しみから逃れることが出来、思いをノートに書き続けました。多くの出会いの中でいつしか私の詩で誰かの心を癒し元気を届けたい。一人でも多くの方に届けるため20歳の時に詩集を出版しました。
 詩集を通じて周りの支えに気づき、そこから私の人生はがらりと色を変えました。私は支えてくれた方々に恩返しをしなければと学校を中心に講演活動や地域の方とコンサートを開催したりと社会活動を始めました。30歳前後から私の身体は確実に衰えていき、7年前、呼吸器を手放せなくなった時、夢や目標もなく、このまま静かに人生の終わりを待てばいいと思っていました。
 けれど私にはいつも側にいて、支えてくれる愛する人の存在がありました。生きる事を諦める事はそんな人を裏切る事になる。最後まで生き抜かなければいけないと思いました。夢を見失っていた私でしたが、愛する人と生きた証を残したい。そして私の詩で元気を届けたいと思いました。。
 そこで私はクラウドファンディングに挑戦し、資金を集め詩集出版しようと決意しました。そして昨年、多くの方々の温かい応援により、目標金額の2倍の資金が集まり、同年12月に詩集出版という大きな夢を叶える事が出来ました。私一人の力では到底、ここまでたどり着く事はできませんでした。私は多くの方々に支えられて、励まされて、生きている喜びを全身で感じられる。そんな幸せを頂き、どんな言葉を並べても足りません。詩集出版に関わられたすべての方々と共に夢に向かって同じ道を歩けた事は私の宝物となりました。
 私は呼吸器を使用する事に抵抗がありました。けれど24時間着けてみると身体も楽になり生きる意欲がみなぎってきました。詩集出版もそうですが、今では呼吸器を車椅子に乗せ電車で福岡に行ったりラーメン屋巡りをしたりと人生をおう歌しています。よく在宅になればと言われます。たしかに病院では制限も多く大変ではありますが、自分次第でどこにいたとしても輝くことが出来る。自分の想いを口にする事でそれに答えてくれる人が必ずいます。これからも私は病院にいながら色んな事に挑戦していきたい。この命が尽きるその瞬間まで走り続けていこうと思います。