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シリーズ「輝いている会員の姿」 広島支部 浅田 洸平さん

「今を楽しむこと」

   僕は今31歳、広島西医療センターに入院してもう10年が過ぎようとしています。
 筋ジストロフィーと診断されたのは、僕が4歳弟が2歳の時でした。
 二人とも保育所、小学校、中学校とも地域の学校に通い、運動会、社会見学、マラソン大会等の学校行事にも参加してきました。学校では〝みんなと一緒に〟をモットーに何事にも取り組んでもらえたと思っています。
 10歳の頃、車椅子の生活になりました。その頃、福山の同じ病気の子達と「あんぱんまん」という会をつくり、日帰り旅行、プール、海水浴、バーベキュー、車椅子スキーと季節毎にみんなで集まりました。ボランティアさんも参加してくださりにぎやかでした。
 高校、大学も地元の学校へ通いました。先生方や友達の助けもあり、何とか一人で学校での生活を送ることができました。
 大学4年の夏、心臓の状態が悪化し入院することになりました。考えた末、週末帰省し週一回のゼミに出席し無事卒業できました。
 状態の変化は突然にやってくるので怖いです。先に入院していた弟は、呼吸器を着ける頃から急に心臓が弱り半年後には亡くなってしまいました。悲しいのと自分もそうなるのかもという不安から落ち込んでしまいました。
 あれから5年、僕も24時間呼吸器を装着して車椅子に乗る時間も減ってきています。
 そんな僕ですが小さい頃からずっと楽しんでいることがあります。一つは「鉄道」に関すること、パソコンの画面で行った事のない鉄道や列車をみているとわくわくしてきます。周辺の名所や歴史など次々興味がわいてきます。物心ついた頃から、SLや駅舎、車両基地、イベント等家族で数えきれない位行きました。入院前、自分で手配してヘルパーさんと二人で埼玉の鉄道博物館へ行ったのが一番の思い出です。
 もう一つの楽しみは「物づくり」です。身近な材料を使って、壁飾りや置物を作ったり、動くおもちゃを作ったり、パソコン周りのスイッチを工夫してベッド上で出来ることを考えたりしています。動くおもちゃは、試行錯誤の連続で作っているうちに他の物に形を変え完成までの道のりは長く迷走しています。ですがこれからもへこたれず、物づくりに挑戦し、日々を少しでも豊かに快適に過ごせるよう楽しみながらやっていきたいです。