シリーズ「輝いている会員の姿」 秋田支部 鷲谷 勇孝さん
「秋田県にもCIL(自立生活センター)を!」
病名が確定されるまで度重なる誤診と波乱の道のりではあったけれど、その多くの社会経験を活かし、起業し会社経営をしていましたが、車椅子生活を期に休業。その少し前にインターネットの普及で、病気の事や協会、秋田にも支部があると知り、交流会に参加した日、同じ病気の患者が同じような境遇で生きて来た事、色々な福祉サービスがある事などを知り、救われた一方、若い患者さん達がはるかに重症で「この子達の為に何か出来ないか?」という思いが込み上げました。それが原点で支部長、難連理事などを引き受けました。しかし自分の生活自体がままならず、頑張っても何ら変わらない。「こんな事でいいのか?やりたい事が出来ていない」と、もがいても居宅介護やボランティアだけでは限界を感じ、たどり着いたのが自薦ヘルパー。国の制度ではなく、重度障害者当事者団体(自立生活センター以下CIL)が運営する、重度訪問介護を利用した障害当事者が始めたのが最初で、今や全国各地に団体及び利用者が存在しています。しかし、秋田県には支援するCILがなく、他県から支援を受けながら自薦(専属)ヘルパーを利用し、色々な所に出向くなど研修体験していく中、呼吸器管理や痰吸引など当事者に合わせたレベルの高い介護を受ける事も可能です。実際に筋ジス患者で24時間、数人のヘルパーを回しながら生活している人達を、目の当たりにして来ました。CILが出来れば県内の在宅患者・入所している重症患者もそこを出て自由な、自立生活を送るための支援が直に出来ます。「秋田県にもCILを!」を目標に、立ち上げの準備を進めてきましたが、その夢がいよいよ叶う一歩手前までこぎつけたので、乞うご期待を!
最後に身体に障害のある人は健常者の日常の当たり前が出来ずに考えたり、悩んだりと苦労は相当なものです。でも嘆いても、自ら一歩踏み出さない限り何も変わりません。辛くても病気と向き合い自分自身とも戦い、あえていろんな人に関わって、優しく接することで自身も癒され、穏やかな気持ちになります。その結果、得るものもたくさんあり、やけになったり悲しんだりもなく、むしろ前向きに楽しく生きています。見た目は頼りない弱者ですが、今まで耐え抜いてきた強い精神力は他人にも元気を与えると信じ、誰かの心の支えになることが自分に与えられた使命だと、経験、体験等の情報を発信しながら、活動を続けています。