シリーズ「輝いている会員の姿」 北海道支部 川口 雅紀さん
「合理的配慮が弱者の権利を守る事だと発信するしかない」
皆さん、こんにちは。私は北海道の患者で川口と言います。最近、感じた事を少しだけ書いてみようと思います。
私は旅行が趣味で、これまで10か国をまわりました。そこで気が付いた事があります。それは、日本人って配慮が必要な人に「お願いします」って言わせたがるという事。海外に比べると福祉の遅れがあり、それが原因だと思います。海外では配慮する事は恩恵や優遇ではなく、義務という認識が強いです。
日本はWHOの障害者権利条約に批准し、合理的配慮など様々な制度を整備しました。しかし合理的配慮は罰則規定はなく、今後義務化される可能性はありますが、社会や企業はまだ理解する途中の段階であると感じます。この理解を進める方法は、私達患者や家族が、合理的配慮が弱者の権利を守る事だと発信するしかないと感じます。
発信する側は消耗しますし、時には自尊心を削られます。でも、私達が筋ジストロフィーという病気になった事は誰のせいでもありません。世界には色んな人がいて、そのほんの1種類なだけです。「お願いします」から、ただシンプルに「ありがとう」と言える社会になる事を願って、私は今後も発信して生きていきます。