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シリーズ「輝いている会員の姿」 鹿児島支部 川﨑 良太さん

「初のアメリカ研修!!」

 

  現在、鹿児島県霧島市にて24時間の重度訪問介護を利用し地域での生活を続けてきて早9年。どんなに重度な障害を持っていても地域で当たり前に生きていきたいという思いを実現するために設立された「NPO法人自立生活センターてくてく」で相談業務や講演活動等しています。
 そんな私に「アメリカへ行くためのプロジェクトを一緒にしてみないか?」という話が届いたのは2016年10月。見聞を広めたいと思っていた私に「アメリカ」という響きはとても魅力的で二つ返事で「します!」と。しかしここから苦難の連続でした。プロジェクトの趣旨は障害者運動の「未来を担うほんまもんのなかま」になるために渡米し、さらには世界初の障害者差別禁止法ADA法(障害を持つ人のアメリカ人法)を体感することでした。
 アメリカへ行く……重度な障害を持つ私たちにとって大きなハードルはその資金でした。今回は大口の助成金の審査にも落ちたのですが、そこは諦めずに若さと勢いでTシャツ販売やインターネットでの寄付を募り資金を集めました。沢山のご協力をいただき仲間とともに売りあげたTシャツは全国で3,000枚。その他の寄付や助成を頂いた結果で当事者19名を含む総勢40人余りで渡米できました。
 アメリカへ渡ってからは毎日が驚きの連続でした。一つは公共交通機関の利用のし易さです。地下鉄だとホームと列車の隙間や段差がほとんどなく、何の補助もなく一人で乗降できます。日本だと目的地を伝え、駅員に渡し板を用意してもらい移動できますが、アメリカでは乗りたいときに乗り途中で気が変わっても、自由に降りることができます。一般の人たちと同じような感覚です。
 私たちは日頃から様々な制約を受けながら生活していますがアメリカではほとんどの場合それが解消や合理的な配慮をすることで平等性が保たれています。身体的に不利なことが多い私たちが我慢を強いられ、与えられる福祉の中だけで生活していくのではなく社会が配慮をし、ほかの人たちと変わらないように環境を整えていくことが今後さらに大事になると思いました。アメリカで得た驚きと自分達の権利を勝ち取っていくという強い姿勢を今後の人生に生かしていきたいと強く感じましたし、誰もが排除されず当たり前に地域で暮らし、様々なことを選択できる社会になるように頑張ります。