シリーズ「輝いている会員の姿」 東京支部 小澤 綾子さん
「どんな障害や病気があっても夢や希望は叶えられる」
私は筋ジス肢体型で、10歳頃から体が動かし辛くなり、違和感を感じ始めました。体育の時間は同級生から走り方や走るのが遅いことをなじられました。体が動かなくなっていく恐怖も、皆からいじめられるのももちろん辛かったですが、一番辛かったのは「周りの皆と違う」ということ。私は一人ぼっちだと思い、誰にも心を開けなくなってしまったのです。親にも友達にも相談できずに、いつも心は一人ずっとぼっちでした。
そんな自身の体験から、「自分と同じように辛い思いをする人がいなくなるように」との思いで今は歌と講演の活動を全国でしています。世の中には病気や障害を持った人をはじめ、色々な人がいて、一人ひとり違っているから面白い。どんな障害や病気があっても夢や希望は叶えられる、ということを自身の経験から伝えています。
私は病名がなかなかわからず、20歳のときにやっとわかりました。華の20歳、「あなたは進行性難病で筋肉がどんどんなくなり、あと10年後は車椅子、その先は寝たきり」と医者に宣言され、未来に絶望しました。夢や希望なんて持っても仕方ないと思っていました。 でも、あれから10年以上たち、いい意味で裏切られた10年後の今を過ごしています。
普段は日本IBMでシステムエンジニアの背景を持つ人事部員として働き、土日は歌と講演で全国をまわり、2年半前に結婚し、主婦としても充実した毎日を送っています。
全て無理だと思っていた、働くこと、結婚すること、歌手になること、毎日幸せで過ごす事。全部が叶ったのです。きっかけはデュシェンヌ型で30年間病院のベッドで寝たきりの生活を送っていた友人との出会いでた。友人は「自分は夢とやりたいことがあって時間が足りない。また、作曲をしているから、同じ病気のあなたに歌ってほしい」と話してくれたのです。人はどんな状態でも、何でもできるんだということを感じ、真っ暗だった私の未来がいっきに鮮やかになりました。そして、私は友人のためにも歌おうと決め、それが私の夢になり、生きようと思えるようになりました。歌の活動は広がり、新聞やTVなどのメディアにもたくさん取り上げられるようになり、想像もつかなかった今を送ることができています。今は亡き友人のためにも、声が続く限り歌い続け、全ての人の可能性を伝え続けます。CD・コンサート情報は、ホームページ「筋ジスと闘い歌う 小澤 綾子」http://challenged-ayako.com/ へ。