シリーズ「輝いている会員の姿」 岩手支部 佐藤 裕子さん
感謝の気持ちを忘れずに毎日を楽しく頑張ります」
私は生後10ヶ月で、東京の武蔵病院(現国立精神・神経医療研究センター病院)で福山型筋ジストロフィーと診断されました。
その時両親は、「この子は5歳まで生きられたら、10歳頃まで生きられるかもしれない」と先生に言われたそうです。母は地元である程度の診断は言われていたものの、東京の病院に行ったら、それを打ち消す診断が下るのではないかと思っていたので、大変ショックを受けたそうです。そんな私が3月で32歳になります。
小学校までは、地元の学校に通いました。中学は両親が送り迎えしてくれ、隣町の養護学校に通いました。高校は仙台の西多賀病院に入所し、西多賀養護学校に入学しました。この時初めて親元を離れて生活しました。はじめはホームシックになりましたが、学校の先生方、友達、病棟の看護師さんや指導員さん、同室のお姉さん方、周りの人たちに優しく接していただき、楽しい高校生活を送りました。高校卒業と同時に自宅に戻り、以来作業所に通いながら在宅生活を送っています。
私は歌う事が大好きで、高校時代に一度音楽の先生と一緒に、仙台の「とっておきの音楽祭」に出ましたが、自宅に戻って3年目から8年間、「とっておきの音楽祭」に出場しました。ここ2年間は体調を崩して出ていませんが、妹の伴奏で出場した事や、小学校の友達と大好きなKiroro(キロロ)の「ベストフレンド」を歌った事は、宝物の様な思い出です。
最近は、作業所に行く回数はめっきり少なくなり、家族とヘルパーさんと自宅で過ごすことが多いです。今私は楽しいことがたくさんあります。
一つは去年生まれた甥っ子が遊びに来てくれ、その成長を見る事です。甥っ子の笑顔にいつも元気をもらいます。月に一回、お母さんとヘルパーさんと映画を見たり、買い物に行ったりもとても楽しいです。そして、一番の楽しみは毎日パソコンで歌とトークを配信し、たくさんの人が聞きに来てくれ、友達もたくさんできたことです。
病気の為にできない事もありますが、いろんな人に支えられながら楽しく生活できることに感謝し、これからも病気に負けないで頑張りたいです。