シリーズ「輝いている会員の姿」 奈良支部 坂本 真一さん
「自分の人生を思いきり楽しむことを大切にしています」
私は家族とヘルパーや学習補助員の方々の支援を受けながら、大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程に在籍して研究を続けています。今は一人前の研究者になって、大学などの研究機関で研究を続けることを目指して研究に励んでいます。研究への情熱はだれにも負けないと思っていますが、周りの友達が社会に出て働き結婚して家庭を築いていく姿を見て焦ったり悩んだり落ち込んだりします。
私の身体は、指一本動かすことはもとより、気管切開して呼吸器を装着しており息ひとつ自力ではできず、話すことも自由にはなりません。何ができるかと聞かれれば、自分一人では何もできません。怒りにも近い悔しさがあります。けれど生きています。だからこそ、私は自分の人生を思いきり楽しむことを大切にしています。その方法は人それぞれだと思います。私の場合は、目標として研究を続けることと、友達とメールしたり、漫画や小説を読んだり、映画を観に行ったり、旅行に行ったり、おしゃれな服を着たりして自分の人生を思いきり楽しんでいます。
こうして私が自分の人生を楽しめているのは、私の生活全般を支えてくれる家族とヘルパーの方々や、私の研究を支援してくださる大学の先生方と学習補助員の方々、私のことを一人の人間として認め応援してくれる友達がいるおかげです。そのことには言葉で言い表せないくらいすごく感謝しています。半端じゃない障害や病気を抱えていると、それだけで日々の生活が本当に大変で厳しいです。けれど、やりたいことがあるのなら諦めないでほしい。周りを思いきり巻き込んで、楽しんでほしい。私の姿を見て、その一歩を踏み出してみようと思っていただければ、とても嬉しいです。