シリーズ「輝いている会員の姿」 愛知支部 中野 まこさん
「私の人生の主人公は私―社会に働きかけ続けること―」
「私には、筋肉の力がだんだん弱くなる障害があるんよ。歩くことが難しいから、電動車いすが私の愛車なの。かっこいいでしょ。」大学時代から続けている小中学校等の福祉実践教室で、私の障害を子どもたちに伝えるときの言葉です。私にはウルリッヒ型先天性筋ジストロフィーという障害があります。
山口県岩国市出身。中学校までは地域の学校に通い、高校は特別支援学校に進学。通常学校で学んだ9年間、そして高等部で過ごした3年間は、私にとって間違った選択ではなく、大切な宝物だと感じています。3年間一緒に過ごした子どもたちから、大学に行きたい、特別支援学校の教員になりたいという夢を持つきっかけをもらいました。大学進学を機に愛知県美浜町でヘルパー制度を利用しながら下宿生活を始めました。夢に向かって、大学内外でたくさんのことを学んできました。そしてこれまで経験してこなかったことを友達やヘルパーさんたちと思いっきり経験し「初めて記念日」がたくさんできました。
教員採用試験不合格という挫折を経験しつつ、平成26年3月に日本福祉大学を卒業し、名古屋市でヘルパー制度を利用し一人暮らしをしながら、豊田市にある自立生活センターで、当事者スタッフとして勤務しています。地域で暮らす障害のある人たちのサポートや、特別支援学校高等部を卒業した人たちが通ってきている「働く場」「経験の場」に携わらせていただいています。他には地域の小中学校等における福祉教育の講師もさせていただいています。
就職し、様々な研修に参加する中で、当たり前の権利を求める障害者運動を間近にし、次の世代の人たちが今より暮らしやすい社会になるよう、私も活動していきたいと思うようになりました。平成27年夏には、世界で初めてできた障害者の差別を禁止した法律であるADA(障害のあるアメリカ人法)制定25周年に合わせて、ワシントンD.C.に1週間滞在し、法律があるアメリカから様々なことを学びました。日本ではやっと平成28年4月より障害者差別解消法がスタート。しかしまだこの法律の存在を知らない人が多くいます。課題が多い法律ではありますが、やっと障害のある人も対等に要求を伝えられる権利を保障されたのです。法律をより多くの人に知っていただき、様々な人を巻き込んでより良い法律に育てていきたいと思っています。 私の人生の主人公は私。仕事にプライベート(主にライブ参戦)に全国各地を飛び回っています。