シリーズ「輝いている会員の姿」 奈良支部 中村 康祐さん
「私とロボットサークル」
私は機械が好きで、入院した当初は手指の可動範囲が広く、ネジを締める時は顎でドライバーの柄を上から押さえながら手で回す事が出来ていました。しかし、だんだん手指の動きが悪くなり思うように作業できなくなりだした時、ロボット好きの櫨原良明君(弟)から「僕と一緒にロボットせえへん?」と誘いがあり、平成19年4月にロボットサークルを発足。療育指導室のサポートを受けて10年目となります。ここで私達のロボットサークル活動の紹介させて頂きます。「ロボット作りに励んでロボットの輪を広げていくこと、そのために技術を学び、楽しみながら実践し失敗する」を目指して、今は櫨原兄弟と3人で活動中です。
毎年の「ロボまつり」では、奈良育英学園情報技術部の方々とロボットサッカーやロボットと喋ったり、ダンスなど成果発表を行っています。病棟の仲間も多数見学に来て楽しんでもらっています。
誰もがロボットの操作が出来るようにならないかと企業や大学に問い合わせを行っている間に、企業から操縦器のソフトを共同開発する誘いを受けたこともあります。ロボットサークルを立ち上げることで、入院生活を続けながらロボットの操縦器の共同研究を行うことが可能となり、社会に参加して貢献することができるという希望が持てるようになりました。
現在ロボットサークルでは、3Dプリンタの組み立てにチャレンジしています。以前から興味はあったのですが、昨年パーツ付きの週刊マイ3Dプリンタが販売されたのを機に始めました。いつか完成品を使ってロボット部品の制作、サークルのロゴなどを作りたいと思っています。
私は体調にリズムと制約があり、限られた時間しか座位姿勢での活動が出来ません。それでも多くの人たちと交流が実現出来るのも、病棟の仲間と療育指導室をはじめ病院サイドの支援のお陰です。これからも奈良医療センターで療養しながら、充実した日々を送りたいと思います。