シリーズ「輝いている会員の姿」 島根支部 舩津 静子さん
「前向きに、今を生きる」
今年60歳の還暦を迎えるにあたり、今までの人生を振り返ってみたいと思います。
我が家は目の前に海、後ろが山に囲まれた小さな漁村にあります。そこで、私の父、夫、犬のモコと一緒に暮らしています。
小学生までは、海や山を駆け回り、自然の中で楽しい毎日を送っていました。中学生になり、ちょっと自分の体が人とは違うことが気になり出しました。体育の授業やマラソン大会など、人並みにできなくて、なぜだろうという思いがありました。
高校も短大も女子だけの学校だったので、沢山の友達に恵まれ、人よりちょっと筋肉が弱いだけだろうという思いはありましたが、楽しく学生生活を送ることが出来ました。
その後、福祉の仕事に就きたくて、身体障害者療護施設で寮母として働き始めました。全身の力がだんだんと弱くなるのを感じ始めた頃、寮長の勧めで病院を受診し、筋ジストロフィーという言葉を知りました。「40歳までは生きられない」とか、「結婚はしてはいけない」など、はたちの自分にはなかなか受け止めることができず、大きな衝撃を受け、母と泣き明かした日もありました。
その後、医療事務など、自分に合った仕事に就くこともでき、充実した日々をすごしていました。運送会社の事務をしていた時に、夫と出会い結婚しました。来年は銀婚式を迎えます。
色々な病気やけがで入退院をしてきました。20年前、内科の病気で手術を受けた時の検査で、肢帯型筋ジストロフィーであることがわかりました。
13年前から簡易電動車イスを利用するようになり、行動範囲が広がりました。車の運転もしますので、毎日、40分かけて出かける「地域活動支援センター・どんぐり館」で創作活動をしています。大声を出して歌うことも大好きで、友達も沢山できました。
定期的にリハビリに行ったり、プールで歩いたりして、今の状態を続けられるように努力をしています。
出来ないことは、夫やヘルパーさんの手を借りますが、家事もできる限り自分でするようにしています。過去を懐かしむのではなく、前向きに「今」を、生きていこうと思います。