1)ポンペ病とは?
ポンペ病は乳児型と遅発型(小児発症、成人発症)に分けられています。
乳児型は赤ちゃんのときから力が弱く、発育が遅れ、心臓や肝臓が肥大します。呼吸不全などで1歳までに約80%の赤ちゃんが亡くなっていました。
でも、マイオザイムの使用で、1歳以下で亡くなる人はほとんどいなくなりました。
遅発型は筋力低下が主な症状です。進行性の筋力低下があるので、臨床的には肢帯型筋ジストロフィーと似ています。 ただ、呼吸筋が弱いのが特徴的とされています。遅発型にもこの酵素療法は効果がみられています。
2)酵素療法の対象は?治療法は?
すでに筋生検を受けて、ポンペ病の診断を受けた人は治療の対象になります。
すぐに主治医に治療してくださるように申し出てください。治療は2週間に1回点滴を受けることになります。最初は副作用のチェックなどで、入院していただくこともあります。
3)筋生検を受けていない、受けたけれど診断がついていない人は?
臨床症状は肢帯型筋ジストロフィーに似ています。
今まで、肢帯型筋ジストロフィーと診断を受けていた人で、病型(ジスフェルリン欠損、カルパイン3欠損など)が分からず、さらに呼吸筋の筋力低下がある人は、ポンペ病の可能性があります。特に呼吸筋の異常が最初の症状だった肢帯型の方はその可能性が高いです。
4)診断を確定するには?
筋生検を受けた方は担当医にもう一度、ポンペ病の可能性がないかご確認下さい。筋生検の情報が手に入らない方は、血液での酵素診断が可能です。
その際は主治医による紹介状があった方が判断しやすいです。またご本人の承諾書も必要です。
酵素診断は杉江秀夫教授(自治医大)が行ってくださいます。
5)具体的には?
病気に関する相談、酵素診断は厚労省の筋ジストロフィー研究班(清水班)の先生方が窓口になってくださいます。
この件に関するご相談は
・筋ジストロフィー協会顧問 埜中征哉(nonaka@ncnp.go.jp)か、
・清水班の運営幹事 西野一三部長(nishino@ncnp.go.jp)にご一報ください。
郵便の方は封書で(個人情報が漏れないために)
187-8502 小平市小川東町4−1−1
国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第一部 西野一三にお願いします。
ポンペ病の可能性があると判断された場合は、採血、血液の送付方法などを担当医にご連絡します。
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