AC広告活動の総括-テスト用
1年間に及んだAC広告活動をめぐり、2018年(平成30年)11月に協会会員を対象にアンケートを実施しました。その結果は、会報「一日も早く」308号の「AC広告活動の総括」の中でご報告いたしました。アンケートには自由記述欄があり、回答総数191件の中でもかなり多くの記載をいただきました。自由記述の概要については、会報「一日も早く」309号の「AC広告活動の総括 その2」の中で掲載しました。協会ホームページ(会員限定ページ)で、自由記述の概要を改めて公開するとともに、自由記述の全文並びにそれに対する協会のコメントもここでご紹介いたします。
〇はじめに
ACの広告キャンペーンの要綱は下のACジャパンのホームページに記載されております。https://www.ad-c.or.jp/campaign/rule.html
ACジャパンのホームページ(外部のサイトを開きます)
以下、上記ホームページからの引用を交えて改めて重要なポイントについて記載します。
広告の出稿実績をACジャパンからは提供して頂けません。このことは、実質的な広告投資量を協会は知ることが出来ないことを意味します。
第2章 広告の放送・掲載について
<その1 使用媒体について>
1.ACジャパンの広告活動は原則として新聞・雑誌・テレビ・ラジオの4媒体を使用するが、電飾看板、車内広告、ポスターなどを使用あるいは併用す る方法も可能である。どの媒体を使って支援するかについてはACジャパンの全国運営委員長会議で決定する。
2.団体は広告が出稿される媒体・日時・場所・頻度・数量・期間などについては、指定できない。
3.広告の出稿実績については年度毎にメディア別広告実績の総額を公表するが、個々の広告の出稿実績については非公開とする。
キャンペーンにあたり制作したものの権利は全てACジャパンに帰属します。従って、広告に使用された映像、画像などをキャンペーン終了後に協会の意思で利用することは出来ません。
<その3 支援期間終了後について>
団体は、支援期間終了日以降は、原則として広告物の使用はできない。
使用の必要が生じた場合は、都度事前にACジャパンの確認を得るものとする。
募金を直接的な目的にしてはいけません。従って、我々のキャンペーン参加の目的も、"病気の認知を広めること"が第一義にあります。
<その2 募金ついて>
募金を主たる目的にした広告は、原則として制作しない。
■費用対効果について
ACキャンペーンにおいては、メディアへの出稿料金を協会は請求されておりません。従い、かかった費用は全て広告の制作料金に該当します。また費用総額(概算20百万円)につきましては、これまで以下の媒体にて会員の皆様にお知らせしております。
1) 会報 305号(7ページ)平成29年度事業収支計算書
決算書の勘定科目では、「ACジャパン参加費」が該当します。
3)平成29年度予算
会報 298号(8ページ)の平成29年度予算の中でも「ACジャパン参加費」として20百万円を明記しております。
広告効果を簡単に測定することは出来ませんが、一つの大きな指標として「協会ホームページのアクセス数」があります。商用のwebサービスの場合には、これを直接的に"1クリックあたりの価値"に換算することが出来ますが、JMDAは収益事業を持っている訳ではありませんので、そのような考え方は難しいです。
一つには寄付金という指標を使って商用サイトと同じような考え方を部分的には出来るかもしれませんが、寄付というものの性質が「稀にあるごく少数の大口寄付が全体を支配する」といったような傾向を持つため、例えば一年間という限られた期間では大数の法則が十分に効かず、つまり効果を測ることが困難であるという側面があると考えております。
またもう一つには新規入会者数という指標も効果算出に使えるかもしれません。しかしながら、そもそも希少疾患であることや、また病気の認知という最大も目的からしてみると、”患者家族に入会して頂く”ということは、重要なことではあるものの、最重要指標とも言い難い側面があります。
効果測定についての考えたかの一つとして、閲覧数が3倍になっている、ということを直接的に捉えてみる、というのはあるかもしれません。
具体的には、これまで一カ月あたり23,000程度だった閲覧数が、1年後に78,000程度になっています。
もっともページ閲覧数の多い、"筋ジストロフィーとはどんな病気ですか?"というページについていえば、
協会のホームページのリニューアル後(ACキャンペーンの活動開始である2017/7/1)から今日まで14万近い閲覧数です。このうちの概ね2/3である10万閲覧がAC広告キャンペーンの効果によるものと仮定します。そのとき、このページを10万回閲覧してもらうのにどれだけの費用がかかると考えられるでしょうか?ユニークユーザ(複数回の閲覧をしてないユーザ)を全体の1/3~1/2と仮定したとしても、東京ドーム満員人分の方に、新たに筋ジストロフィーという病気のことを知っていただけた可能性があることになります。これがどのくらい難しいことであるかは、少なからず想像して頂けると思います。
マスメディアへの出稿となると、そうそう色々な選択肢やチャンスがあるわけでもなく、また他の患者会のACキャンペーンの利用実績などを見ても、AC広告キャンペーンの利用はマスメディアの利用という前提においては有用な手段であると考えました。
一方、マスメディア以外のメディアの有効活用につきましては、今後も継続的に検討していきたいと考えております。
■広告の内容について
という問い合わせ・問題提起を相当数受けております。
これにあたり、まず制作に関する基本事項について、以下にACジャパンホームページからの引用を示します。
第1章 広告制作について <その1 キャンペーン企画案の決定について>
1.ACジャパンは全国運営委員長会議で決定された複数のキャンペーン企画案を団体に提示する。
2.キャンペーン企画案は、ACジャパンと団体の2者の協議によって最終決定され、全国運営委員長会議はこれを了承する。
3.作品の最終承認はACジャパンの直近の社員総会にて行う。
上記の記載にあるように、企画案は広告会社が制作し、また最終承認はACジャパンにより行われることになります。従って、企画・選考のプロセスにおいて、JMDAが関与可能なのは上記2項に記載されてている"ACジャパンとの協議"のみに限定されていることになります。
この協議の過程において、制作会社から情報を頂く機会がありましたが、制作会社によって作られた複数の企画は、いずれも特定の個人にフォーカスをあてるという内容になっておりました。従って、どの企画が採用されることになったとしても、その観点では、広告の印象はて変わることはなかったということになります。
また、今回案として出された複数の企画は、すべての企画にそれぞれの主張があり、別の言い方をすると良い側面も悪い側面もありました。例えば、アンケートの自由記述では"今回の内容では筋ジストロフィーがすべからくこんなに辛い病気だという認識を与えてしまう"といったコメントを頂いておりますが、逆に歩行を獲得できている方が前面に出れば、また逆 の意見(この病気の本当に辛いところをきちんと伝えられていないじゃないか、といったような)もあったことだろうと思います。
このように考えてみると、あるべき姿を深く考えていった結果、企画が広告会社とACジャパンにより決定されるという側面を持つACジャパンという手段を利用することそのものが適切では無いという結論もあるのかもしれません。では、逆にJMDAに完全に企画の決定権があったとして、我々は何を伝えていくのか、どのように決定していくのでしょうか?今回のキャンペーンは、そのようなことを会員各自に考える機会をくれた、という捉え方も出来るかと思います。次の何らかの機会を協会がより良い選択を行えるように、会員の皆様の協力を頂ければと思う次第です。
また、この資料の中ではすべての自由記述意見をそのまま記載しております。今回のAC広告キャンペーンを肯定的に捉えていた方は否定的な意見の方のコメントを、逆に否定的に捉えていた方は肯定的な意見の方のコメントを是非熟読頂ければと思います。
また、正しい認知のためには、もっとも閲覧数が多い、"筋ジストロフィーとはどんな病気ですか?"というページの内容が非常に重要になります。
2017年7月のホームページの改訂にあわせて新たに原稿を起こしたものですが、今読み返してみると、病型や症状、予後の多様性についての説明がもう一つ不十分かなと感じるところもあります。この点について、改めて改善を検討してみます。